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近畿生コン関連協議会

[続]偽装労組

偽りの連鎖が、今はじまる。

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  1. 衝撃!武委員長解任劇とその背景<17>

2023.03.30

衝撃!武委員長解任劇とその背景<17>

湯川被告に実刑、懲役4年

この3月(2023年)、全日本建設運輸連帯労働組合(連帯ユニオン)関西地区生コン支部(以下、関生支部)をめぐり3つの判決が出た。

1つ目は同年3月2日にあった、いわゆるコンプライアンス事件の大津地裁判決、2つ目は同年3月6日、大阪高裁であった和歌山事件と呼ばれる威力業務妨害事件、3つ目は同年3月13日に大阪高裁であった、威力業務妨害事件である。

今回は、3月3日の『号外』でもお知らせした、湯川裕司被告(現関生支部委員長、以下、湯川被告)に、懲役4年の実刑が下された大津事件についてレポートする。

企業から恐喝1,000万円を取る

大津事件は、関生支部が多くの企業に<コンプラ活動>と称する業務妨害を行い、その果てに1,000万円の恐喝事件にまで発展した、関生支部が企業からカネを取る典型的な事件である。判決によると、湯川被告に実刑が下った1,000万円の恐喝事件は、こうして行われた。

対象となったのは、<(株)タイヨー生コン>(滋賀県野洲市)だ。同社は<大津協組>(大津生コンクリート協同組合、滋賀県大津市)の組合員であったが、反関生支部の姿勢を取っていた。関生グループは<タイヨー生コン>の親会社である<たち建設(株)>(滋賀県栗東市)の現場でも、コンプラ活動を行っていた。元組合員の法廷での証言によると、「タイヨー生コンが連帯を敵視しているので叩け」と湯川被告から指示されたという。

当時、関生支部と<大津協組>、<湖東協>(湖東生コンクリート協同組合、滋賀県東近江市、奥宗樹理事長=当時)は、アウト業者である<ダイセイ(株)>(滋賀県東近江市)、<田中生コン(株) >(滋賀県守山市)、<藤森工業(株) >(滋賀県湖南市)をターゲットに、<コンプラ活動>を行っていた。その3社が、関生支部の<コンプラ活動>を無視したことから、加盟する滋賀県生コンクリート工業組合幹部の自宅に、街宣活動をかけられたこともあった。その後この幹部は、関生に協力姿勢を取るようになったと法廷で関係者が証言している。

<コンプラ活動>と称する業務妨害で脅迫

<タイヨー生コン>事件が起こったのは、滋賀県内で関生支部の<コンプラ活動>とした業務妨害事件が相次ぎ、関生支部の不法行為が堂々とまかり通っていた時期で、誰もが、関生支部を恐れていた中で起こった事件である。

<タイヨー生コン>が、生コンを納入する工事現場で、関生支部の組合員らが<コンプラ活動>と称する些細な不備を繰り返し指摘した結果、同社の社長は、関生支部を恐れるようになった。これに乗じて湯川被告は当時、関生支部の委員長だった武建一被告(分離裁判)と共謀し、2015年5月上旬、人を介して、同社長に現金1,000万円の支払いと引き換えに、嫌がらせ(コンプラ活動)を中止すると伝えた。そして同年5月21日、大阪市北区のホテル1階のラウンジで、同社長に対して武被告は「今回タイヨー生コンがこう言うことになった理由はわかるか」などと告げ、湯川被告は高圧的な口調で、「道路が汚れている」「ステッカーの位置が悪い」などと指摘。1,000万円の支払いに応じなければ、今後も<タイヨー生コン>が生コンを納入する工事現場で、繰り返し妨害することを暗に示して、同社長を怖がらせ、ホテルのラウンジで1,000万円を支払わせたというものである。当初、<タイヨー生コン>の社長は警察に相談したが、受理されなかった。やむなく業界関係者に相談し、人を介して、滋賀県生コンクリート工業組合の幹部を紹介された。この幹部が武被告と連絡を取り、大阪市北区のホテルで面談することになった。ホテルのラウンジで面談がおこなわれたが、湯川被告と<タイヨー生コン>の社長が言い争いとなったため、湯川被告は席を外された。

領収書は<政策協力金>名目

そのときの領収書は、「政策協力金」として発行された。<タイヨー生コン>の社長は、武被告との面談の橋渡しをした3人の業界関係者に、各50万円ずつ支払った。その後、湯川被告は、「タイヨー生コンは連帯(関生支部)に対して協力姿勢となったので、コンプラ活動は中止」と部下に指示を出した。

有罪は他に5人

コンプラ活動と称した業務妨害事件は、<タイヨー生コン>事件の他、<セキスイハイム近畿(株) >(大阪府大阪市)、<(株)フジタ大阪支店>(大阪府大阪市)、<大和ハウス工業(株)>(大阪府大阪市)、<(株)東横イン電建>(東京都大田区)、<日本建設(株)>(大阪府大阪市)に及んだ。2023年3月2日の大津地裁判決で有罪が言い渡されたのは、湯川被告の他、城野正浩被告(執行委員・政策調査部長=当時)懲役3年執行猶予5年、萱原成樹被告(執行委員=当時)懲役2年6月執行猶予4年、山本智被告(特別対策係=当時)懲役2年執行猶予3年、中村正晴被告(会計監査=当時)懲役2年執行猶予3年、壱岐健一被告(新京都生コン分会委員=事件当時)懲役1年執行猶予3年の5人である。各事件の概要を、順に紹介したい。

セキスイハイム近畿を脅した<手口>

<セキスイハイム近畿>の業務妨害を企てたのは、湯川被告、城野被告、萱原被告、山本被告で、松尾紘輔執行委員、木下俊介組合員、大津協組の朝夷健治運営委員長、金子寿男同副理事長、山本良一同理事と、関生支部組合員との共謀。2017年2月25日午前9時15分~同日午後0時まで、滋賀県大津市で施工中だった<セキスイハイム近畿>の住宅工事現場で、<セキスイハイム近畿>課長と下請け業者に「道路使用許可のとおりに作業ができていないので車を移動すること」「道路の汚れ防止のため工事現場の敷地内に敷いたブルーシートがはみ出ているが、道路占有許可を取っているのであれば直ぐに収めるように」などと忠告。下請け業者が「打設途中の生コンの打設作業だけでも続行させて欲しい」と懇願したものの、「直ちに作業中断」を命令。その上、側溝の蓋を全部上げて掃除すること、道路が汚れているのであらうこと、また敷地内にとめたミキサー車のサイドミラーが道路にはみ出ているなどと、軽微な不備を繰り返し指摘。このため、下請け業者は工事を中断し、打設中の生コンを廃棄し、新たに生コンを追加の納入せざるを得なくなった。萱原被告らは、<セキスイハイム近畿>の工事で、同年3月3日、「セキスイハイム近畿(株)強アルカリ反応か!現場前側溝に生コン汚水を垂れ流し!!」などと記載したビラを現場監督に手渡し、ビラまきを示唆。さらに、現場に出入りする資材運搬車の運転手に「運転席と助手席の間のカーテンがしまっている。安全窓が見えない。車検証のシールが貼ってない」と軽微な不備を指摘。そのたびに、工事は中断された。

以下、次号へ。

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