KURSレポート
KURSや仲間の活動情報をタイムリーに。
KURSや仲間の活動情報をタイムリーに。
2025.01.27
多くの関係者でにぎわう大阪兵庫工組・広域協組2025年 新年互礼会の会場。
2025年1月14日、兵庫県内のホテルオークラ神戸(神戸市中央区)において、コロナ禍を除き毎年恒例となっている、<大阪兵庫生コンクリート工業組合(以下、大阪兵庫工組)>と<大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協組)>の新年互礼会が盛大に開催された。
2025年は、近畿地域生コン業界の念願となる<広域会館(仮称)>が竣工するハレの年だ。多くの組合員企業のほか、販売店、ゼネコン、行政各位関係者、そして我々<KURS・KLWS>の執行部もお招きいただき、互いに晴れやかな気持ちで新年の挨拶を交わし、この1年の健勝と業界の発展を願った。
開会に先駆けて行われたのが、医療機関に対する寄付目録の贈呈式だ。これは<三方良し>を理念とする広域協組が、地域社会でビジネスをさせて頂いている組織として、生コンの売上の一部を、毎年、様々な団体に寄付する地域貢献活動のひとつで、今回は、地域の医療機関が提供する医療サービスの、更なる向上を願っての寄付だ。
ステージ上には、大阪大学医学部附属病院病院長の野々村祝夫氏と、神戸大学副学長医学部附属病院病院長の眞庭謙昌氏が登壇。大阪兵庫工組・広域協組の両理事長である木村貴洋氏より寄付目録を受け取り、それぞれ感謝の言葉を述べた。
両氏の御礼が終了した後、木村氏による新年の挨拶によって、いよいよメインイベントである<大阪兵庫工組・広域協組2025年互礼会>がスタートした。
寄付目録を受け取った、大阪大学医学部附属病院病院長の野々村祝夫氏(左)と、神戸大学副学長医学部附属病院病院長の眞庭謙昌氏(右)。
さて、今回の互礼会は、我々KURS(近畿生コン関連協議会)・KLWS(関西労供労組協議会)にとって大きな節目となった。そのひとつは、木村理事長の挨拶の中で、はじめてKURS・KLWSの存在が示された事。これは2018年のKURS発足以来、初めてのことで非常に感慨深い。そしてもうひとつは、広域協組副理事長である地神秀治氏の挨拶の中で、昨年末、KURS・KLWSの考え方を否定し袂を分けた<関西レディーミクスト労働組合(以下、関西レディー)>と<関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部。以下、関生支部)OB>らを中心とした<有志連合会>に対して、厳しい対応が示された事。これは元仲間として非常に情けない話であると共に、生コン業界関係者の皆様には大変申し訳ない事だ。それぞれについては、この後詳しく述べたい。
木村氏はまず新年の挨拶、そして来賓や参加者に対するお礼の言葉に続いて、新年の所感を述べた。その一部を抜粋しておきたい。
「前略…今年の干支は<乙巳(きのと・み)>と言って、<乙>とは新しい芽が出て成長していく事、そして<巳>は蛇。長く繁栄していく事、また金運の象徴です。考えてみれば、本日お集まりいただいている皆さんは広域協組の関係者です。毎年、広域協組が繁栄するたびに、金運が上がりますので、大事に育てていっていただきたいと思います。来年度は出荷量的に若干減りますけど、販売店の皆さんには1㎥でも多く売っていただきたい。そんな中で、我々が気をつけなければならない事が4つあります。<価格・納入・社会貢献・品質>です。中でもいちばん重要なのが<品質>。経営者の皆さん、今年は経営者自らが品質に対して充分な注意を払って出荷していただきたい。生コンをつくるにはセメント、骨材、水、混和材と色々が必要ですが、それぞれしっかりと管理された材料が納入されています。それを練り混ぜるのが我々組合員です。品質が生命線ですから、ここを念頭に置いて今年はやってください。そして<納入>のほうは、いま人手不足とか言われていますが、輸送協ならびに協議会(KURS)、日々雇用の労働者を供給してくれるしっかりとした組織(KLWS)もございます。こういう組織でしっかりと納入をしていただきたい。次に<社会貢献>。先ほども寄付をさせていただきましたけど、やはり大阪・兵庫という地域と密着して、今後も運営していくという上では社会通念上あたりまえの事です。そして最後に<価格>。これについては、登録販売店の皆さんに非常に頑張っていただいて、今、安定している。2025年の価格については据え置き。(今後は)2026年4月に向けて、現在の状況を精査する中で決めていきたいと思います。皆さん、数は力です。この力を継続するのが、今日お集まりいただいた皆さんです。毎年金運が付いてきますから、この組織を大事に育てていくことをお願いしたいと思います。皆様の健闘を期待しております!」と、言葉に力を込める木村氏。この後、2025年4月22日に行われる<大阪広域先端技術プロジェクト>の落成式の告知で締めくくり、来賓である行政代表者挨拶、鏡開きと進み、地元神戸市会議員の五島だいすけ氏より挨拶の後、歓談タイムとなった。
大阪兵庫工組・広域協組両理事長である木村貴洋氏の挨拶では、2018年の発足以来、はじめて<KURS・KLWS>の存在が示された。
挨拶を行う、経済産業省近畿経済産業局製造産業課課長の濵﨑千弥喜氏。
挨拶を行う、国土交通省近畿地方整備局企画部技術調整管理官の川尻竜也氏。
大阪兵庫工組・広域協組両執行部と来賓による鏡開き。
乾杯の発声は、お馴染み全生連近畿地区本部本部長の丸山克也氏(中央)。
挨拶を行う、地元神戸市会議員の五島だいすけ氏。
今回の互礼会が、我々の大きな節目となった最大の理由は、先に述べたように、ハレの年の互礼会において、KURS・KLWSの存在が、理事長の口から示されたことだ。
我々<KURS・KLWS>は、2017年に関生支部との関係を断つことからスタートした。しかし当時はまだ関生支部の仲間だと誤解されたり、名前に労働組合が付くだけで怪訝な顔をされることもあった。残念ながら、オーナー会(一般社団法人 西日本建設関連オーナー会)や広域協組との関係構築も、ゼロからではなくマイナスからのスタートだった。しかし、主義主張やイデオロギーを持ち込まず、<業界発展>を第一に考えて地道に活動する事で、少しずつ理解をしていただけるようになり、今では、ようやく同じ土俵に立って活動をしていると実感できるようになった。このことは、ほんとうに感慨深い大きな節目だ。
しかし木村氏の挨拶の後、この喜びに冷や水を掛けられたような、残念な事態が待ち受けていたのだ。それは、歓談タイム後に行われた広域協組地神秀治氏の、中締めの挨拶の中で起こった。
KURS・KLWS執行部らのテーブルを訪れ、KLWS松居順一郎議長らと歓談する木村理事長。
参加者がひと通り挨拶を交わし親交を深めたタイミングで、地神氏による中締めの挨拶となった。地神氏は毎年「今年は○○に取り組みます!」と言う発表があるため、全員がステージに注目した。
今回の挨拶で主に語られたのは、昨年末、広域協組やオーナー会、組合員企業に謎の文書をバラ撒いて迷走する、<関西レディー>と<関生支部OB>らの組織<有志連合会>への対応についてだった。
地神氏は挨拶の前段で、自身の近況や参加者に対する感謝の言葉を述べたあと、今年は生コン販売価格は触らず、仕入れや従業員給与等の更なる見直しなど、内部での経済面の見直しに取り組むと語ったあと、本題に入った。
「前略…今回、特に言っておきたいのが労働組合問題です。これまで我々は、あまり大きなアクションをしてきませんでしたが、今年、大阪(広域協組)はやります。と言うのは、我々の会館が出来るというハレの年に、本当に失礼な発言や運動をやっている者(組織)が居るので、ここ(この団体)に関しては、大阪広域独自で厳しく(対処を)やります。販売店さんやゼネコンさんのお力は借りません。我々はこんな失礼な団体とは、一切お付き合いをすることはないので、ここに関しては、協同組合の皆さんも、しっかりとしたスタンスで対応していただきたい。(彼らが)昨年末に、無礼な文書を出して動いているのは、我々も知っています。今までは静観してきましたが、今年はキチッとした方向性をつけてやりますので、よろしくお願いします。大阪は必ずやります。大阪はやります。こんな失礼なことをされて、黙っている組織ではありません。大阪はキチッとしたことをやる団体なので、今年は大阪は必ずやります。どうかご支援のほど、よろしくお願いします」。「大阪はやります!」のフレーズを何度も口にして強調するところに、広域協組の本気度がうかがえる。地神氏は<有志連合会>に対して、厳しい言葉を発した後、恒例の一本締めで互礼会を締めくくった。
KURS・KLWSは、昨年末の文書が出た時点で、彼らの主張は全く受け入れられず、完全に異質な存在であるとの態度を表明している。今後ともその考えは変わらない。もちろんハレの年の、めでたい互礼会なのだが、我々にとってはせっかくの節目となる喜びが、ヌカ喜びとなったような、なんとも後味の悪い事態となってしまった。
中締めの挨拶で<有志連合会>への対処を表明する、広域協組 地神秀治副理事長。
一般的な社会通念として、業界発展を目指して法令を遵守し、真っ当なビジネス活動を行い、労働者として真面目に仕事をしている人々に対して、いわれのない<言いがかり>をつけることは許されることではない。
今年の<大阪兵庫工組・広域協組2025年互礼会>では、そんな非常識な活動を行う組織に対する、広域協組やオーナー会、否、この日、会場に参集した販売店やゼネコン、来賓の方々、またお招きいただいた我々KURS・KLWSも含めた、業界全体からの厳しい対応が示され、業界として共有された。
彼らの振る舞いは、我々KURSが、2018年の設立以来、KLWSと共にオーナー会と構築してきた<集団的労使関係>を否定し、また広域協組や大阪兵庫工組など、関係する方々と培ってきた信頼関係に冷や水を掛けるような言動だ。
我々KURS・KLWSとしては、これまで発足当時の目的や趣旨を共有する仲間と信じ、説明・説得を続けてきたが、それを踏みにじるようなこのたびの非常識な振る舞いに出た彼らを、業界で働く者として許すわけにはいかない。<有志連合会>は、現在のKURS・KLWSとは一切、関わり合いのない組織であり、彼らの主張は我々の趣旨とは全く違うものであることを、ここで改めて表明する。
我々KURS・KLWSとオーナー会・広域協組は、労使が一致協力して<業界発展>を目指すという、全国のどこの企業・団体・業界でもやっていないこの新しい取り組みを、このような事で途絶えさせるわけにはいかないのだ。KURS・KLWS加盟労組の組合員の皆さんには、事態を正しく理解していただくと共に、<労働者の処遇改善>のためにはまず<業界発展>の考えを再認識していただき、関係者の皆様には、今後とも我々KURS・KLWSの活動に、ご理解、ご協力をお願いしたい。
▶有志連合の文書の詳細は、本サイト2024.12.20掲載のトピック記事<関西レディー労組・関生支部OB・「有志連合会」の書面に対する態度表明>をご参照いただきたい。