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特集

生コン業界の仕事や暮らしに役立つ情報をくわしく。

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  1. '26労使交渉、非正規労働者<日額賃金22,400円>の大幅アップで調印。

2026.04.24

'26労使交渉、非正規労働者<日額賃金22,400円>の大幅アップで調印。

<テクノラボ・大阪>内会議室において<2026年春闘>の最終交渉が行われ、そのまま調印された。

労使が熟議を尽くしたことで、4月にズレ込んだ<’26春闘最終交渉>

2026年4月3日、大阪広域生コンクリート協同組合(以下、大阪広域協組)<テクノラボ・大阪>の会議室において、一般社団法人西日本建設関連オーナー会(以下、オーナー会)と、近畿生コン関連協議会(以下、KURS)・関西労供労組協議会(以下、KLWS)の<2026年度春闘集合交渉(以下、'26春闘)>の最終交渉が行われた。

今回は、長引く物価高騰に加えて、米国トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が引き起こしたイラン戦争の影響で、物価の先行きが読めないため、労使交渉の混迷も予想されたが、要求内容については、3月下旬に開催されたオーナー会会員企業への説明会や事前の労使協議により、互いが意見を出し議論が尽くされていたため、その日のうちに合意が確認され、そのまま調印となった。

最終交渉の場で意見を述べるKURS事務局長の岡元貞道氏。

最終交渉の場で意見を述べるKURS事務局長の岡元貞道氏。

非正規労働者の賃金が<時給300円アップ>大幅に引き上がる

今回、特筆すべき点は、非正規労働者の日額賃金アップについてだ。時給300円<日額賃金22,400円>の大幅アップとなる、これまでにない大きな成果となった。

昨年度(2025年)の春闘では、非正規労働者について、「日額賃金の引き上げは、次年度(2026年)3月末までに日額21,000円以上を目指すこと」との内容で先送りしたため、今回は特に非正規労働者に関する経済要求に注目が集まったが、経営側との協議により、<時給300円引き上げ、日額賃金(総支給額)を22,400円以上とする>大幅な引き上げとなった。

今回の交渉について、オーナー会会長の藤中昌則氏は冒頭の挨拶の中で、「非正規労働者については、昨年の交渉では、今年、生コン価格の値上げがあるので、非正規雇用労働者の賃金については据え置きで、今年、21,000円以上を目処に協議したい、ということを前提条件として執行部と協議をはじめました。労組側からの要求は日額24,000円だったんですが、労使の協議を経て日額22,400円、時給300円アップということで決着させていただくことができました。労使関係のある会社との説明会でも(現在の物価状況を鑑みてか)特段の異論は出ませんでした。ということで、まずは労供事業者から、5月1日を目処に交渉して協定を結んでいただきたい。説明会では「交渉に来ないよ」というオーナーの声も聞かれましたので、その点はよろしくお願いします」と、今回の交渉の経緯を説明。さらに藤中氏は、「私が言いたいのは、労働組合が実質的な取り組みの中で、これまでの大阪広域協組の大同団結に大きな影響を与えて頂いて、努力していただいたことが、きちんとした形で残って、協同組合の発展の中できっちり評価されて、良い環境を作っていけるような、そんな労使交渉ができたと思います。過去の悪夢のように、できないようなことを要求されたり、それに応えたりというようなことは止めたいと思っていますので」と、これまでの労組側(KURS・KLWS)に対する対応への評価を明らかにしてくれた。

冒頭のあいさつで、交渉の経緯にふれる、オーナー会会長の藤中昌則氏。

冒頭のあいさつで、交渉の経緯にふれる、オーナー会会長の藤中昌則氏。

最終交渉の場で意見を述べるオーナー会常務理事の山田英幸氏。

最終交渉の場で意見を述べるオーナー会常務理事の山田英幸氏。

最終交渉の場で意見を述べるオーナー会常務理事の大峠勇氏。

最終交渉の場で意見を述べるオーナー会常務理事の大峠勇氏。

最終交渉の場で意見を述べる(株)関西宇部代表取締役社長の北岸一宏氏。

最終交渉の場で意見を述べる(株)関西宇部代表取締役社長の北岸一宏氏。

正規労働者の賃上げは、決められた内容をベースに各社で労使協議

次に正規労働者の<経済要求>について解説しよう。

正規労働者の経済要求については、交渉権の付託が決まっていない(労使関係のない企業が多い)ことから、決まった数字を出すことはできない。

生コン業界には、企業別労働組合が組織されるような大きな企業がないことから、KURS・KLWSが近畿圏の生コン業界の<産業別労働組合>の役割りを担っているからだ。

したがって今回の春闘においても、正規社員の賃上げや一時金については、個社の事情もふまえた内容(ガイドライン)が決められ、労使関係のある会社ではそれをベースに、これまでの慣習を遵守し各社の労使が話し合うことになる。また労使関係のない会社については、労使関係のある会社の状況を基本に決めていくこととなる。このようなスタイルは、オーナー会とKURS・KLWSのように、労使間においてしっかりとした信頼関係が構築されていなければ実現できるものではない。

非正規労働者賃金に対するオーナー会の前進ある回答に、労組側交渉団も<高評価>

今春闘での大きな成果である、非正規労働者に対する賃上げに関しては、KURS・KLWSの交渉団からも、高い評価が出された。コメントを抜粋して少し紹介しよう。

【KURS寺岡議長】「藤中会長をはじめ、交渉団の皆さんには、我々の要求に対して概ねご理解をいただき、また3月31日には、オーナー会会員全社に対して<説明会>を開催していただきましたこと誠に感謝いたします。これはオーナー会の英断をもって回答をいただいたわけですが、実は、会員企業の中には、強い難色を示している社もあります。そうした中で出していただいた英断ですから、本日をもってKURS・KLWS11労組は個社交渉に入り、5月1日履行を目途に頑張ってまいりますので、今後とも、ご協力のほどよろしくお願いいたします」。

【KLWS松居議長】「藤中会長をはじめ交渉団の皆さんが誠実に対応していただいた結果が、本日に至ったと思っております。最近思うんですが、かつて<経営者会>で交渉していた頃と違って、今はオーナー会との交渉を8年やってきて、皆さんが我々の意見についてもある程度共鳴し、誠実に理解していただいているのと思います。ですから、我々もこれから、各事業所と誠実な姿勢で説明をしながら交渉を進めて、今春闘を終わらせていただきたいと考えています。これからも、どうぞよろしくお願いいたします」。

【KURS藤川事務局次長】交渉事なので、我々の要求が100%実現されたということではないですが、そのなかでも日額賃金の底上だとか、制度政策要求では、今後の担い手対策、人材確保についても前進ある回答をしていただいたことについては、オーナー会は未組織企業が多いなかで、意見をまとめるのも大変だと思いますが、前進ある回答をしていただいたことには感謝したいと思います。

【KURS木村事務局次長】「今回は、ほんとに大幅な賃上げの回答をいただき、ありがとうございました。今まで底上げ中心にやってきたなかで、本格的な賃上げができたことは、ほんとに各労組とも感謝していると思います」。

オーナー会との集団的労使関係を確立してから8年。春闘においてこれほどの前進ある回答を得たのは初めてのことだ。皆一様に、オーナー会の英断を高く評価している。これも日頃から<業界の持続的発展>を目指して活動している、オーナー会とKURS・KLWSの信頼関係が深まってきている証拠だ。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS議長の寺岡正幸氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS議長の寺岡正幸氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKLWS議長の松居順一郎氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKLWS議長の松居順一郎氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS事務局次長の藤川拓氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS事務局次長の藤川拓氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS事務局次長の木村敦豪氏。

前進ある回答に対する評価を述べるKURS事務局次長の木村敦豪氏。

<共済金>など今後の課題については、今後時間をかけて労使で継続協議

最終交渉では、今後の課題についても話題に上った。それは、オーナー会の藤中会長からも少し話があった<共済金>についてだ。具体的には、同会常務理事の大峠勇氏が口火を切った。

「説明会でいろんな意見が出るなかで、非正規労働者の賃金体系について。交通共済金とかいろんな手当がありますけど、ある会社からは「本来はこの春季交渉で、それがある程度まとまっていくような感じやったんやけどなぁ」という意見もありました。先ほど藤中会長からも少しお話がありましたけど、この賃金体系についても、時間がかかっても構いませんので、継続協議のように話し合っていただけたらと思います。オーナー会としては質問に対して、今回ここはタッチしません。個社ごとの春闘のなかで交渉してくださいという立場です。ただ方向性としては、賃金体系として統一化していく方が良いと考えているので、今後、来年に向けて話ができたらと思います」。

オーナー会の思いとしては理解できなくはない。しかし労組側からすれば、ドライバーには賃金が支払われるが、労供事業は無償でやっているため、過去来の経緯としてその共済金が労供事業の運営資金などになっていた流れがある。そのため、その流れを変えることについては慎重ではあるが、一方で、KURS事務局次長の木村氏からは、「共済金については、労組側としても同一条件になることが理想のカタチですので、そこに向けて継続協議をしっかりと続けていきたいと思います。共済金については、過去来の常識や慣習などを一旦、取っ払わないと解決できないこともあると思いますので、否定せずいろんな可能性を協議していきながら、業界発展に向けてやっていきたい」と、前向きな意見も出た。またKURS岡元事務局長も「共済金について、意見が出ているのは分かっていますけど、これは賃金の中には含まれていない。議論するのはやぶさかではないけど、その共済金が組合員の福利厚生とか、供給事業運営の柱のひとつになっているから、過去来の歴史的経緯を踏まえた上でどうするかということを考えないとダメだと思います。そこは次年度に向けて継続して協議ができたら良いと思います」と、労使協議には前向きだ。

安全対策、制度要求・福利厚生などについても前向きの回答

安全対策については、誘導員の熱中症対策に関する決め事だ。

気象庁が、今月(2026年4月)から、1日の最高気温が40℃以上に達する日を<酷暑日>と呼ぶことしたが、それだけ夏場の気温が、人の生命に係るほど上昇しているというのが現状だ。

これについては、<労働安全衛生規則(2025年6月施行)>を遵守し、誘導員に対し<空調服>の貸与や<クーリングタイム>を設けるよう、各事業所においては、法に基づいて対応することを確認。前向きな回答を得ることができた。また<パワハラ>に関しても、ハラスメント防止は事業主の義務とし、事業主の社会的責任(CSR)において対応することを確認した。

そのほかの制度要求・福利厚生、政策要求などについては、下記の労組側<調印確認書>のPDFリンクを参照してほしい。

●<KURS・KLWS26年度確認書>の全文は、下記のボタンンからご覧いただけます。

労組側<近畿生コン関連協議会・関西労供労組協議会2026年確認書>表紙。

労組側<近畿生コン関連協議会・関西労供労組協議会2026年確認書>表紙。

経営側<2026年度 労使交渉の確認書>表紙。

経営側<2026年度 労使交渉の確認書>表紙。

KLWS組合員の生活にゆとりを生むうれしい回答。次は労働者が応える番

今回の春闘は、非正規労働者の賃金について、昨年の交渉で無念を噛み締めただけに、オーナー会との協議を経て、大きな成果を達成することができた。<日額2,400円増>は、20日当たりで48,000円、15日でも36,000円賃金が増えることになる。これから夏にかけて、電気代や水道代、食費、帰省費用など、生活費がかさんでくることが予想されるため、KLWSの組合員にとっては生活にゆとりを生む、たいへんうれしい結果となった。

賃金が上がったあかつきは、次は労働者の番だ。ギブ&テイク、賃金に相応しい仕事内容で輸送品質を上げていかなければならない。それによって、業界の持続的発展をめざすことが、我々の重要な目的だからだ。

この先、体力の消耗も激しくなる季節となるため、生活面でのゆとりを日々のパワーと集中力にかえて、日々の仕事を乗り切っていただきたい。

無事調印も終わり、リラックスした表情で雑談を交わす労組側 無事調印も終わり、リラックスした表情で雑談を交わすオーナー会側

無事調印も終わり、リラックスした表情で雑談を交わす労組側(上)とオーナー会側(下)。

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