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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.19 旧箕面市農協不正融資事件

2020.06.15

Vol.19 旧箕面市農協不正融資事件

その額、100億円とも報道された、連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)が、企業から得た巨額の解決金は、一体どんな使われかたをしていたのか。その一端を示すのが旧箕面市農協(現大阪北部農協=JA大阪北部、大阪府箕面市)(以下、同農協)不正融資事件である。この事件は2001年3月、合併前の旧箕面市農協で、当時の営業課長が大阪市内の自称コンサルタント業者らに、事実上の無担保融資を繰り返していたとして、この幹部ら3人が懲戒解雇されたことが発端だ。不正融資額は約35億円に上り、大半が回収不能に陥っていた。

背任罪でコンサル業者ら告訴

同農協は同年5月2日、営業課長(当時)と、大阪市淀川区のコンサルト業者・網野門三郎元被告を、約17億7,300万円の背任罪で大阪府警に告訴した。告訴を受けて、大阪府警捜査2課などは同年5月30日、うち1億円について、事実上無担保で融資したとして同農協の元営業課長と、融資先の兵庫県川西市の会社役員、そして網野元被告(2人とも別の詐欺未遂事件で公判中)の3人を背任容疑で逮捕した。

同農協の告発状などによると、不正融資は2000年、大阪府北部の8農協が合併した後に発覚。同農協の元営業課長が1998年10月から2000年5月にかけて、別の顧客11人の預金を、担保に差し入れたようにコンピューター操作し、網野元被告に14回にわたって、計約17億7,300万円を融資し、焦げ付かせたという。網野元被告への融資は、1995年4月から長崎県内で計画された宅地造成開発名目ではじまったが、当初の担保の定期預金は払い戻され、その後、同農協側は長崎県内の二束三文の山林・約7万平方メートルに、過大な担保を設定するなどして5億円を融資。最終的には34億円が不良債権化したという。

旧箕面市農協不正融資事件について書かれた新聞記事のコピー。
旧箕面市農協不正融資事件について書かれた新聞記事のコピー。

旧箕面市農協不正融資事件について書かれた新聞記事のコピー(画像上・下)。

16億円の背任罪で懲刑4年

網野元被告は、1999年夏、『世間の風』『旅鴉門三郎』というシングルCDを自費出版してこともある演歌歌手だ。印鑑の製造販売も手掛け、テレビ局の深夜番組に<網野静観>の名で出演し、運勢や姓名判断などしていたことでも知られていた。その網野元被告は2002年3月、大阪地裁で同農協から約16億円を引き出したとして背任罪で懲役4年の実刑判決を受けた。判決によると、網野元被告は同農協の元営業課長らと共謀、1998年11月~1999年5月、他人の定期預金を無断で担保にし、返済の見込みもないのに同農協から13回にわたって総額16億4300万円の融資を引き出したという。のちに同元被告の有罪が確定した。

旧箕面市農協不正融資事件について書かれた夕刊紙のコピー。

旧箕面市農協不正融資事件について書かれた夕刊紙のコピー。

武委員長名義預金担保に7億円貸付け

実は、この旧箕面市農協背任事件で同農協側が大阪府警に提出した告訴状に関生支部と武建一委員長の名前が登場するのである。告訴状によると、網野元被告が不正融資の担保にした、他人名義の預金者は4者。いずれも元営業課長が網野元被告から紹介された預金者で、そのうちの1者が<全日本建設運輸連帯労働組合執行委員長武建一>だった。告訴状によると、4者がかかわった取引は次のようなやり方でおこなわれたという。たとえば、網野元被告が、関生支部幹部を伴って同農協に来店。関生支部が定期預金を預け入れた上で、網野元被告が同支部から定期預金証書及び取引印を預かり、同元被告がこれらを利用して、同農協から<全日本建設運輸連帯労働組合執行委委員長武建一>名義での貸付を受け、預金に担保を設定するようなやり方がなされていたと考えられる、としている。なぜ、こんなことをするかと言えば、関生支部をはじめ、預金者が網野元被告に、定期預金などを預けていたのは、同元被告と預金者の間で、高利の裏金利支払いの約束があったからと推認される、としている。<全日本建設運輸連帯労働組合執行委員長武建一>名義の預金を担保にした網野元被告への貸付は、1998年4月から同年10月までの半年余りで12件、7億900万円もあった(武委員長を含む網野元被告関連の4者の預金残高は22億5,300万円、貸付残高は22億4,360万円)。

関生支部裏帳簿に犯人との取引記載

関生支部のカネが巨額不正融資の 担保に使われたということだが、実は、同支部の会計担当者が付けていた<特別会計ノート>=裏帳簿に、網野元被告との取引を示す記述があるのだ。たとえば、2003年4月25日付欄には「網野貸付金回収」、さらに同年5月15日付欄にも「網野貸付金回収」と記述されている。網野元被告への貸付金を回収したということだろうが、カネを貸すほど深い関係にあったことは確かなようだ。さらに、同特別会計を付けていた会計担当者は、同年10月には、<特別会計ノート>にこう走り書きをしている。

「今日、書記長より網野さんの件を言われた。特別財政を担当しているのはSさんだし、もし外にもれたら私の責任だと。ゆっくり手帳をチェックしたら、網野さんの件が記帳されていた。私が封義紙を張っているところの場所がずれているのと、見覚えのない小さな赤丸が、左はしに記されている――略――」。

武委員長と詐欺師・網野元被告がどこで知り合い、さらに、<解決金>をもとでにしたカネを、なぜ貸していたのか、いまもって闇の中だ。次回も引き続き、<偽装労組>の正体を追う。

網野元被告との関わりを感じさせる、関生支部<特別会計ノート>のコピー。
網野元被告との関わりを感じさせる、関生支部<特別会計ノート>のコピー。

網野元被告との関わりを感じさせる、関生支部<特別会計ノート>のコピー(画像上・下)。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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