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近畿生コン関連協議会

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  1. 広域協組が創る<コンクリート業界の近未来>

2023.05.10

広域協組が創る<コンクリート業界の近未来>

ステージの横に展示された1/200の施設模型。

広域協組が<(仮称)大阪広域協組先端技術研究開発プロジェクト>の起工式・祝賀会を挙行

2023年4月12日、大阪南港にある大阪府咲洲庁舎(旧WTCタワー)近くに建設予定の、大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協組)<(仮称)大阪広域協組先端技術研究開発プロジェクト>(以下、同プロジェクト)の<起工式>と、敷地そばのホテル、ハイアットリージェンシー大阪で<着工記念祝賀会>が行われた。

起工式では、広域協組の木村貴洋理事長のほか副理事長、理事、以下広域協組の幹部、一般社団法人西日本建設関連オーナー会(以下、オーナー会)、大阪兵庫生コンクリート工業組合(以下、大阪兵庫工組)の各代表が参集。また設計・監理を担当する(株)梓設計関西支社(大阪市北区)および、施工を担当する(株)フジタ大阪支店(大阪市北区)の各代表が参列した。

午前中に行われた起工式は、古式にのっとりしめやかにまた厳かに神事が執り行われ、主催者・参列者共に着工に至った喜びと、工事の安全を祈願した。施設は、2025年の万博直前の竣工を目指している。

関係者が集まり、厳かな雰囲気のなか神事が始まる。

神事を行う、広域協組理事長の木村貴洋氏。

神職を中心に集まる関係者(向かって右側は広域協組理事長・副理事長・理事、左側が設計・施工者代表)。

ここを基地として、今後の近畿地域の発展に、共に寄り添って尽力したい

午後からは、敷地近くのホテル、ハイアットリージェンシー大阪(大阪市住之江区)に会場を移し、起工式の参列者に加えて登録販売店、セメント・骨材・混和剤・輸送等の関係者を招待して<着工記念祝賀会>(以下、祝賀会)が開催された。

ステージに向かって右側には、1/200の施設模型を展示、また左側には大型プロジェクターでCG映像が放映されるなどの演出が施され、開会前から多くの関係者の注目を集めていた。

多くの招待客で熱気にあふれた、祝賀会の会場。

祝賀会は、広域協組木村貴洋理事長の挨拶で幕を開けた。

「2015年の大同団結の翌年にスタートした共同販売事業で、61社の登録販売店の皆様にはご協力をいただき感謝します。我々がプロジェクト(のプロセス)として会館建設までこぎ着けることができたのは、皆様のおかげです。登録販売店の皆様とは<共に歩む>、そしてセメント、骨材、混和剤、輸送等関連業界の皆様とは<寄り添って歩む>、この姿が今の広域協組の実態です。

本日は近隣の協同組合、工業組合の皆さんにも来ていただいておりますが、この施設を基地として、我々が一丸となって、今後の近畿の発展に尽力していきたいと思っています。またこの施設は、設計・監理を(株)梓設計、施工を(株)フジタという最高のタッグ、近畿産業信用組合、徳島大正銀行による財政面の支援をあわせてプロジェクトを進め、今後も益々発展します。

そして今年、広域協組30年の節目から取り組むのが(リサイクル素材の)<再強コンクリート>。これを(販売だけでなく)この施設にも使いたいということで、技術部を中心に設計・施工の2社と調整しています。我々は、次世代のコンクリート業界を目指して発展していきます。

この施設は、本日起工して2025年4月に完成します。万博が2025年4月18日、2029にはIR事業が開業する予定です。万々歳です。これからも我々と<共に><寄り添って>歩んでいきましょう」。

木村理事長は、関係者への厚い感謝と共に、今後のコンクリート業界に対する決意と希望を語り、力強い言葉で、挨拶を締めくくった。

挨拶を行う、広域協組理事長の木村貴洋氏。

その後は、近畿産業信用組合常務理事本部長の康本豊氏、株式会社徳島大正銀行常務取締役の田中義人氏による祝辞の後、UBE三菱セメント株式会社執行役員大阪支店長の山岡朋宏氏が乾杯の音頭をとられ、しばしの歓談となった。

挨拶を行う、近畿産業信用組合常務理事本部長の康本豊氏。

挨拶を行う、株式会社徳島大正銀行常務取締役の田中義人氏。

乾杯の音頭をとる、UBE三菱セメント株式会社執行役員大阪支店長の山岡朋宏氏。

歓談の後、施設の設計者である株式会社梓設計代表取締役社長の有吉匡氏と、施工を担当する株式会社フジタ代表取締役専務執行役員の浅川正幸氏による挨拶で来賓による祝辞が終了。会場は終始、祝賀ムードで、笑顔と歓声にあふれるなか、中締めを迎えた。

挨拶を行う、株式会社梓設計代表取締役社長の有吉匡氏。

挨拶を行う、株式会社フジタ代表取締役専務執行役員の浅川正幸氏。

8年前から綿密に計画され、進められたプロジェクト

広域協組の地神秀治副理事長は、中締めで次のように語った。

「実はこのプロジェクトは、私が『生コン業界を立て直そう!』と、8年ほど前に大阪にやって来て、今の執行部の方々と話し合いを重ねるなかで、すでに頭の中に描いていました。決して思い付きではありません。というのは、我々が合併を成し遂げたら、組織的、規模的に日本一になる。そのときにこの協組を、名実共に日本一にするためには、やはり経済を立て直すことが一番だと考えたからです。そして、まず販売店さんを手厚くすることからスタート。それが功を奏して、その後、紆余曲折ありましたが、(このプロジェクトが進行し)今日、このようなお披露目をすることができました。もちろん100点ではありませんが、我々は自分たちのことだけを考えるのではなく、お取引先や皆さんのことを深く考える組織です。これからもご協力をお願いいたします」。驚くことに、同プロジェクトは、なんと8年前から計画されていたのだ。地神副理事長は、祝賀会を締めくくるにふさわしいエピソードを紹介して、祝賀会全体を締めくくった。

中締めの挨拶を行う、広域協組副理事長の地神秀治氏。

施設建設はプロセスのひとつ、目的は最新技術を協組内で共有すること

今回、同プロジェクトの現状をレポートした理由は、広域協組が実施していることが、日本中のどこの協組もやっていない、一歩も二歩も先を行く取り組みだからだ。このことは近畿地域で働く生コンワーカーとして、ぜひ理解しておいてほしい。その理由をすこし説明しておきたい。

同プロジェクトは、これから施設建設が始まるが、実は施設の完成が最終目的ではない。なぜなら施設の建設は、これから続く研究開発プロジェクトのプロセス(工程)のひとつだからだ。

もちろんこの施設には、最先端技術の研究開発を行う機能が備わるが、重要なことはこの施設を活用して、産官学が一体となり、今、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した建築資材として注目されている生コンクリートの、<カーボンニュートラル・リサイクルシステム>構築を中心とした、コンクリートに関する最新技術の研究開発を、継続的に行うことが目的だ。そのため同プロジェクト名称には、<建設>という言葉が入っていない。

またその最新技術は、設備や人材に潤沢な資金を回せない中小企業(生コンプラント)でも共有できるように、実用化を目指すという。

つまり、個社ではなかなかできないコンクリート技術の研究開発を、協同組合のスケールメリットを活かすことで、実現するということだ。今後、コンクリートの最新技術を、我々が輸送に携わるすべてのプラントでも使えるようになるということだ。これは業界にとって、大きな売りになるに違いない。また、将来を見据えた、広域協組のこの動きは、近畿地域の生コン関連業界のイメージアップにもつながる。

研究開発自体は、我々の実務には直接影響することは少ないと思うが、これだけ意識の高い、先を見据えた広域協組の生コン輸送に関わっていることを再認識して、誇りをもって仕事にあたってほしい。

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