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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.5 日本建設威力業務妨害事件

2019.10.31

Vol.5 日本建設威力業務妨害事件

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滋賀県警が摘発した連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)事件は複数ある。これまでレポートしてきた事件は一般に湖東協組(湖東生コンクリート協同組合)事件と呼ばれるものである。「セキスイハイム近畿(株)」(大阪府大阪市)が大津市内で行っていた住宅工事現場で、2017年2月から3月にかけて現場責任者に因縁をつけ工事を妨害したとして関生支部の湯川祐司副委員長ら計8名が逮捕・起訴された威力業務妨害事件は、大津協組(大津生コンクリート協同組合)事件と呼ばれている。今回取り上げるのは、「日本建設(株)」(大阪府大阪市)が滋賀県大津市内で施工した「ネッツトヨタびわこ(株)」(滋賀県栗東市)の店舗新築工事をめぐる日本建設威力業務妨害事件である。

お家芸のアウト対策

この事件では2019年6月から8月にかけて、日本建設とネッツトヨタびわこに対する威力業務妨害で、関生支部の組合員で大津協組幹事長だった中村正晴被告や関生支部湖東ブロック長だった大澤卓司被告、関生支部京津ブロック組合員の越智信之被告、さらに関生支部副委員長の湯川被告らが逮捕・起訴された。

2019年8月27日、大津地裁で開かれた大澤・越智両被告の公判での検察側冒頭陳述などによると、関生支部は2017年2月頃、大津協組と業務提携し、同協組管内のアウト対策を請け負うことにした。アウト業者が生コンクリートを納入している工事現場に嫌がらせに行くなどした結果、アウト業者が同協組に加盟。残るは「藤森工業(株)」(滋賀県湖南市)一社のみとなった。関生支部京津ブロック長だった木下俊介被告は、同年8月頃から10月頃にかけて、大津協組幹事長の中村被告から、藤森工業が出荷数を伸ばしていると聞き、今後同社を標的としたアウト対策を行う必要があると考え、同支部湖東ブロック長だった大澤被告に対し、藤森工業が生コンクリートを納入している工事現場の調査を指示した。これを受け、大澤被告は湖東ブロックの組合員Bに対し、同社が生コンクリートを納入している工事現場の調査を指示した。大澤被告から指示を受けた組合員Bは、工事現場を探した結果、日本建設が大津市内で施工するネッツトヨタびわこの店舗新築工事現場を発見し、大澤被告に報告。同被告は木下被告にこれを報告した。同年10月末頃、木下被告は、関生支部副委員長の湯川被告から、藤森工業を標的としたアウト対策を実行するよう指示を受け、これを了承した。

「警察の動きに注意して」

大澤被告は、同年11月11日、自ら大津市内の店舗新設工事現場に赴いて、工事現場の状況をビデオ撮影し、木下被告に報告した。木下被告は、同年11月中旬頃、湯川被告に対し、日本建設が施工する工事現場に妨害活動を開始する旨を報告し、同被告から「警察の動きに注意しながらやるように」と指示を受けた。木下被告は、その頃、日々の関生支部の活動を行う際、「意思統一」と称して、今後、藤森工業の排除を目的とした妨害活動を行っていくことを組合員に周知した。同月17日、木下・越智両被告、関生支部京津ブロックの組合員だった浜崎光平被告は、工事現場に赴き、同工事現場の現場監督に対し、こう因縁をつけた。

「道路が汚れていますよね」「汚水が川に流れている」。さらにその様子をビデオ撮影するとともに、大津市役所に電話をかけ、同市役所職員を現場に臨場させ、現場監督に対応させるなどした。

木下被告は、同月22日頃、関生支部京津ブロックの組合員だった壱岐健一被告と共に、工事現場の妨害活動の際、撮影した画像を使うなどして、日本建設が法令順守違反を行っているなどと記載したビラを作成した。木下被告は、同月27日頃、壱岐被告に対し、ビラを印刷するよう指示するとともに、大澤被告を介して、組合員Bにも同様の指示をした。壱岐被告及び組合員Bは、同月28日、ビラを2,000枚印刷。同日、壱岐被告と組合員Bは、木下被告の指示を受け、日本建設大阪支店に赴き、同支店職員に、そのビラを渡した。さらに、同月29日、木下・越智両被告、組合員Bのほか関生支部の組合員らは、京都府内在住のネッツトヨタびわこの監査役宅とその周辺の住宅にビラを投函。翌30日には、越智被告、組合員B、関生支部組合員らは、滋賀県内在住のネッツトヨタびわこの代表取締役宅などにもビラを投函した。

同月30日以降、日本建設大阪支店職員は、ネッツトヨタびわこ代表取締役から、ビラが投函された理由の説明を求められた際、「工事現場でアウト業者に生コンを納入させていることから嫌がらせを受けたものと思われる」と説明、早急に対応すると回答した。日本建設大阪支店職員は、今後、ビラが投函されるなどの妨害行為を受けることを避けるため、生コンクリート供給契約を藤森工業から大津協組に変更せざるを得ないと考え、同年12月1日、大津協組にコネクションのある株式会社T代表取締役に、大津協組加入業者から生コンクリートを納入するための仲介役を依頼した。T代表取締役らは、同月4日頃、大津協組に赴き、中村被告らに対し、ネッツトヨタびわこの工事に関し、大津協組加入業者と生コンクリート供給契約をしたい旨申し入れ、同協組中村被告らはこれを了承した。

そして同月6日以降、工事現場には、大津協組加入業者から生コンクリートが納入された。木下被告は、同月7日頃、中村被告から日本建設への妨害行為をやめるよう指示され、以降、関生支部が同社に対して妨害行為をすることはなかった。

次回も引き続き、滋賀県の事件をレポートする。

大津協組が入る滋賀県生コン会館。

大津協組が入る滋賀県生コン会館。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名について、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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