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近畿生コン関連協議会

DATAで見る生コンクリート産業

目で見てわかる、生コン業界の市場動向。

目で見てわかる、生コン業界の市場動向。

  1. DATAで見る生コンクリート産業の現状

2018.12.07

DATAで見る生コンクリート産業の現状

全国生コンクリート工業組合連合会/全国生コンクリート協同組合連合会/大阪広域生コンクリート協同組合

2018年度生コン上半期9月に失速し出荷減

2018年度4~9月の生コン出荷(全国)

出荷量 前年比
総合計 41,404,966 99.2%
組合員 36,730,000 100.1%
非組合員 4,674,966 93.1%
官公需 16,080,527 96.7%
民需 25,324,439 100.9%

全国生コン両連合会が10月26日発表した2018年度上半期(4月~9月)の生コン出荷量(非組合員は推定)は前年同期比0.8%減の4140万5千m3となった。8月末まではプラス圏で推移していたが、9月に入り台風21号などで天候不順に見舞われたこと、北海道胆振(いぶり)東部地震による停電で出荷停止を余儀なくされたため。官公需は3.3%減の1608万1千m3で前年のプラスからマイナスに転じた一方で、民需は0.9%増の2532万4千m3で、上半期としては2年連続のプラスとなった。

上半期の月別総出荷量(全国)

地区別の出荷は関東一区、北陸、東海、九州の4地区で増加した。

最も伸びが高かったのは北陸で20.1%増の237万5千m3だった。新幹線工事が出荷のけん引役となっている。福井は58.9%増の65万2千m3と急伸したほか、石川も10%増の39万8千m3となった。

関東一区は東京オリンピック関連施設工事や再開発などが出荷を押し上げている。九州では熊本地震復興工事や福岡の民需などが出ている。

一方で四国の生コン出荷は全県で前年割れの厳しい需要環境が続いている。全生連四国地区本部がまとめた4~9月の組合員出荷量は前年同期比10.3%減の148万2千m3だった。各県とも出荷をけん引する大型プロジェクトが少ないことに加えて、公共事業が低調だった。なお、最も減少幅が大きいのは愛媛で、12.7%減の51万2千m3だった。

全生連では今年度の出荷を前年比2.7%減の8150万m3と予想しているが、上期が前年割れとなったことを踏まえたうえで需要想定を見直すとしている。

上半期の地区別出荷量

東北:青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島
関東一区:埼玉、千葉、東京、神奈川
関東二区:茨城、栃木、群馬、長野、山梨
北陸:新潟、富山、石川、福井
東海:静岡、岐阜、愛知、三重
近畿:滋賀、奈良、京都、大阪兵庫、和歌山
中国:岡山、広島、山口、島根、鳥取
四国:徳島、香川、愛媛、高知
九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

大阪兵庫の減少大きく

大阪・兵庫、京都、和歌山、滋賀、奈良の近畿2府4県で組織する近畿地区本部工組員合計の18年度上半期生コン出荷量は前年同期比4.5%減の510万m3。工組別では大阪兵庫359万m3(9%減)、京都65万m3(12%増)、滋賀31万m3(4%増)、和歌山32万m3(9%増)、奈良23万m3(4%減)と地域差がある一方で、地区全体で値戻しが進展する。

2018年度4~9月の生コン出荷(近畿)

出荷量 前年比
総合計 5,107,521 95.6%
大阪兵庫 3,591,751 91.4%
滋賀 311,884 103.9%
奈良 233,821 96.5%
京都 647,591 112.6%
和歌山 322,474 109.0%
組合員 4,994,640 99.4%
非組合員 112,881
官公需 1,691,267 90.1%
民需 3,416,254 90.0%

月別出荷量(近畿地区)

大阪広域協組-通期予想は下方修正

広域協組12ブロック合計の年度上半期出荷実績は350万7千m3と、計画比18万5千m3程度減少し通期予想を705万m3に下方修正した。大阪6ブロックは500万m3に据え置いたが、兵庫6ブロックは神戸製鋼の火力発電所の着工遅れにより期初予想の約8割の209万m3としている。来年度からの新価格は5%程度の需要減を織り込んで設定したが、減少幅が大きくなれば構造改革や合理化を加速せざるを得ない。

需要環境は厳しく生コン価格の上昇でRC造からS造へのシフトが進み高強度コンクリートのプレキャスト化も図られている。

鋼材の値段が上昇しておりRC造への揺り戻しを期待するとともに、土木でもプレキャスト活用がみられており現場打ち生コンの特徴をPRしていくことが求められる。

大型物件では新名神高速道路の延伸工事や新名神開通に伴う物流施設建設があり、大阪市内ではマンションやホテルの建設需要は旺盛で、大阪万博(万国博覧会)の開催が決定すれば需要の起爆剤となる。国土強靭化のインフラ整備も必要だ。台風による停電被害が多発しており電線共同溝方式による無電柱化の推進に合わせ、コンクリート舗装を採用してもらいたい。

大阪広域協組-2019年度の販売価格

2019年度4月から建値をm3あたり2万1800円とし、各ブロックの状況をみながら弾力的に浸透を図る。人件費やプラントの設備投資費用の確保、セメントや骨材等の原材料価格、輸送費の上昇を転嫁し、安定的に利益の得られる価格水準とするのが目的。材料検証委員で必要なコストを積み上げた適正な価格であり、公正取引員会にも随時報告を実施している。新価格を浸透させることで3年前の協組の大同団結以来の値戻しが完了する。来年度以降は新価格のもとで各社の自助努力による経営改善を促していく。

〈セメント新聞2018年10月29日〉木村理事長インタビューより

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