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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.40 続・出荷妨害事件の真相2

2021.04.30

Vol.40 続・出荷妨害事件の真相2

前回、連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)による威力業務妨害事件、いわゆる<大阪港SS(サービスステーション、以下省略)>事件の検察側論告求刑と、関生支部副委員長の七牟禮時夫被告ら、7人の大阪地裁判決について取り上げた。今回からは、判決内容を詳述する。

有罪判決を受けたのは、七牟禮副委員長のほか、大原明(孫明)執行委員・争議対策部副部長、弘田孝明執行委員、木村義樹組合員、青木健太郎組合員、西島大輔組合員、中尾正登執行委員の7人で、いずれも執行猶予付き。懲役は七牟禮被告2年、大原被告、中尾被告、木村被告、青木被告はそれぞれ1年8月、弘田被告、西島被告はそれぞれ1年6月。執行猶予は七牟禮被告、木村被告、青木被告がそれぞれ4年、大原被告、中尾被告、弘田被告、西島被告がそれぞれ3年だ。罪となった事実は以下の通りである。

(株)植田組運送店のバラセメント運送を妨害

➀関生支部組合員の被告人七牟禮、大原、弘田、木村、西島、尾白一善(当時、分離裁判)らは、他の組合員らと共謀の上、(株)植田組運送店(以下、植田組)のバラセメント輸送業務を妨害しようと考え、平成29(2017)年12月12日午前6時48分頃から、同日午後9時38分頃までの間、大阪市港区所在の宇部三菱セメント(株)<大阪港SS>北側出入口付近、及びその周辺路上で、<植田組>が運行するバラセメント運搬車の前面に立ちはだかるなどして、同車の<大阪港SS>への入場及び同所からの出場を阻止し、もって威力を用いて<植田組>の業務を妨害した。

(株)中央大阪生コンの生コン出荷業務を妨害

➁被告人の七牟禮、弘田、中尾、西島は尾白及び他の関生支部組合員らと共謀の上、大阪市西成区所在の(株)中央大阪生コン(以下、中央大阪生コン)の生コンクリート出荷業務を妨害しようと考え、平成29(2017)年12月12日午前7時11分頃から、同日午前9時8分頃までの間、同所正面出入口付近において、関生支部組合員が運転する生コンクリート輸送車両を、同出入口前路上に停止させたり、被告人や他の関生支部組合員が、同出入口付近に立ちはだかったりするなどして、<中央大阪生コン>が出荷等のために使用する生コンクリート輸送車両の<中央大阪生コン>への入場及び同所からの出場を妨害し、もって威力を用いて<中央大阪生コン>の業務を妨害した。

植田組に対し、二度目の妨害

➂被告人の七牟禮、大原、中尾及び木村は、尾白ら他の関生支部組合員らと共謀の上、➀記載の<植田組>のバラセメント輸送業務を妨害しようと考え、平成29(2017)年12月13日午前6時53分頃から同日午後4時8分頃までの間、大阪港SS北側出入口付近において、<植田組>が運行するバラセメント運搬車の前面に立ちはだかるなどして、同車の大阪港SSからの出場を阻止し、もって威力を用いて業務を妨害した。

ダイワN通商(株)のバラセメント輸送を妨害

➃被告人七牟禮及び大原は、ダイワN通商(株)(大阪府高槻市、以下、ダイワN通商)のバラセメント輸送業務を妨害しようと考え、平成29(2017)年12月13日午前9時6分頃から、同日午前10時32分頃までの間、大阪港SS北側出入口付近において、<ダイワN通商>が運行するバラセメント運搬車の前面に立ちはだかるなどして、同車の大阪港SSへの入場を阻止し、もって威力を用いて<ダイワN通商>の業務を妨害した。

労働組合法第1条1項及び、刑法35条

続いて判決は、事実認定の補足説明及び弁護人らの主張に対する判断をこう明らかにしている。

まず<争点>だ。➀被告人らの行為は、威力業務妨害罪の構成要件に該当しない➁仮に彼らの行為が威力業務妨害罪の構成要件に該当するとしても、被告人らの行為は、労働組合法1条2項及び刑法(明治40年法律第45号)第35条により違法性が阻却される(妨げられること、退けられること)ため無罪であると主張する。

ここで弁護人側が無罪の根拠に挙げている、労働組合法1条2項と刑法35条について説明しておく。

労働組合法第1条2項及び刑法35条とは、労働組合の団体交渉その他の行為であって、前項(労働組合法第1条1項=この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉をするために、自らの代表者を選出すること、その他の団体行動を行うために、自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること、並びに使用者と労働者との関係を規制する、労働協約を締結するための団体交渉をすること、及びその手続きを助成することを目的とする)に掲げる、目的を達成するためにした、正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は労働組合の正当な行為と解釈されてはならない、という法律である。

しかし、裁判所は、➀被告人らの行為は、威力業務妨害罪の構成要件に該当し、➁違法性は阻却されない、と判断した。

次回は、その理由について補足説明する。

威力業務妨害事件の舞台となった<宇部三菱セメント(株)大阪港SS>。

威力業務妨害事件の舞台となった<宇部三菱セメント(株)大阪港SS>。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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