特集
生コン業界の仕事や暮らしに役立つ情報をくわしく。
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2026.08.24
建交労会館会議室で行われた、KURS・KLWS幹事会100回目の横断幕を持つ、幹事会メンバー。
※記事を読みやすくするため、今回文中に出てくる各組織の正式名称は、記事の最下段に記載。
2026年7月15日、KURS ・KLWS 間で行なわれていた幹事会の開催が100回目を迎えた。第1回の開催が2018年2月。それから8年間、両団体の幹事が毎月一回、一度も欠かすことなく建交労会館(大阪市淀川区)に集まり、定例会議を開催してきたのだ。そこで単に「幹事会100回開催、おめでとう!」ではなく、この節目に、同幹事会がどのような組織なのか?またどのような働きをしているのか?を組合員の皆さんにも理解していただけるよう、この機会に明らかにしていきたい。
ここで言う幹事会とは、労供事業(労働者供給事業)を行っているKLWSとKURSの幹事会のことだ。そもそも労供事業とは、厚生労働大臣の許可を受けた労働組合が<無償(マージンなし)>で、非正規労働者を供給先(生コンプラント等)に提供する事業のことだ。KLWSには、KURSの3労組も加盟している。労供には<兼業労供>と<専業労供>があるからだ。KURSは兼業労供(労使関係のある企業に対し労組として組合活動をしながら、労供事業も行っている労組)、そしてKLWSは専業労供(労供事業を、生業として専門に行う労組)で、この2団体は、それぞれ厚生労働大臣の許可を受けて労供事業を行っている。
元々の成り立ちや立ち位置の違う2つの労働団体が共闘するということは、簡単なことではない。しかし実現すればお互い大きなメリットもある。そこで2018年2月、両団体は将来を見据えて共闘に踏み切ったのだ。それから両団体は、毎年の春闘集合交渉(これまで専業労供はオブザーバー参加だったが、2025年からはKLWS・KURS加盟11団体が、オーナー会と集団的労使関係を締結した)や、コロナ渦での啓発活動、ヘルメットの共通化、安全キャンペーンや安全対策講習会など、オーナー会の協力を得ながらさまざまな活動を行ってきた。
続いて、KLWS・KURSの各議長から寄せられたコメントを紹介したい。それぞれが<発足の経緯>や<基本理念>について、的確に説明をされているので、ぜひともご一読いただきたい。
2017年の年末、身勝手な行動をやめない連帯労組に対して、「彼らのやり方は独善的で、共闘とは言えない。これは労組のやり方ではない。我々は民主的にやる!(KURS岡元貞道事務局長談)」ということで、<兼業労供>である生コン産労・建交労関西支部・UAゼンセン(現KURSの3労組)から、連帯労組との決別の呼びかけがあり、私たちは同じ<専業労供>の仲間と共に、その要請に呼応していくことを取り決め、そこに自運労大阪・新運転・自運労京都・淀川ユニオンの仲間が合流し、大同団結を実現。2018年2月13日には第一回労供連絡協議会を開催し、新たな共闘組織の名称として<関西労供労組協議会(KLWS=クルーズ)>を発足させることができました。近畿地域における兼業労供と専業労供の大同団結です。
その日のうちに、同協議会の会則および組織運営の体制についても確認され、近畿生コン関連協議会(KURS=コース)に続き、新たに2つ目の協議会が発足。それ以降、阪神労・運転労・関西ドライバー・みのりが加盟し、11労組・約1100名が結集する大きな組織となったのです。
それからは毎月一回、協議会と幹事会の定例会議が行われ、今年の7月で、第100回の幹事会を迎えることができました。これもひとえに両協議会に加盟している労組が要求実現に向けて、一致点に基づく組織運営の徹底を図ってきたこと、さらに経営側とは、オーナー会との集団的労使関係に基づく信頼関係が構築され、日額賃金の引き上げをはじめ福利厚生等々の充実が図られてきたことが大きな要因としてあげられます。
これまでの経緯を振り返ると、感慨深いものがあります。我々は今後も引き続き、KLWS・KURS二つの協議会の大同団結を崩さず、新たな集団的労使関係の発展を共に進める決意です。組合員の皆さん、共に頑張りましょう。
KLWS議長の松居順一郎氏。
2026年7月15日をもって、KURS・KLWSの幹事会が100回を迎えました。
これもひとえに幹事の皆様の努力とご理解の賜物であると、心より感謝いたします。
私のほうからは我々の<基本理念>について少し説明させて頂きます。それは<大同団結>という考え方です。
当然のことですが、労供事業を行っている各組織には、それぞれの成り立ちや地域での役割、主義主張などがあります。しかしそれは一旦、横に置いて、労働者として最も重要なテーマを実現するために団結しよう、という考え方です。これによって我々は、オーナー会との交渉の場という大きなメリットを得ることができました。
我々、生コン産労や建交労関西支部のような兼業労供は、ふだんは労供事業だけでなく、労使関係のある事業所で組合活動をしているため、状況に応じて団結権の行使などを行います。しかしKURSだけでは、多様な労働者に対応できない。一方、専業労供の場合は生業としてやっているので、なかなか強い主張がしづらい。しかしまとまれば、大阪広域協組の輸送の約6割を担う11労組・約1100名の規模がある。その中に、経営側(オーナー会側)に求める<日額賃金のアップ>や<福利厚生の充実>などの一致する要求がある。そこで一致点での共同というのが、我々の幹事会の大前提となっているのです。
加えてお互いが労供事業をやっていることから、各労組の既得権(供給先との契約)を侵害しない、つまり仕事を奪いにいかないという約束でやっている。このような<基本理念>や<ルール>をお互いが守ることによって、団結が維持できているのです。我々がこの団結によって大きなメリットを実現したことは、これまでの活動を見れば納得いただけると思います。
幹事の皆さん、今後とも我々の基本理念である<不一致部分は留保し、一致する要求での団結>で、組合員の皆さんのため、頑張っていきましょう。
KURS議長の寺岡正幸氏。
このたび、無事100回を迎えることができたKURS・KLWS幹事会だが、もちろんこのように良好な関係を維持するには、神経を使う会議や交渉の場での議論など、仕事の付き合いだけで生まれるものではない。そこでKURS・KLWSでは、仕事以外のコミュニケーションも大切にしている。もともとKURS・KLWSは、同じ目的のもと活動する仲間であって上も下もない。もちろん毎回ではないが、たまには幹事の有志で食事会やゴルフコンペなど(もちろん会費制)、仕事抜きでの交流も大事にしている。古いと思われるかもしれないが、やはり一緒に汗をかいたり、同じ釜の飯を食べたりすることも必要なのだ。このような時間、空間を共有することが、我々の結束力を育んでくれるに違いない。しっかりと議論して交流を深める。この関係づくりが、両団体の結束力と和気あいあいとした雰囲気を醸し出しているのだ。ONでもOFFでもいい関係づくりを続けられることが、幹事会維持のカギと言える。
幹事会終了後に行われた懇親会のもよう。
何度も言うがKURS・KLWS幹事会は、労働者(正規・非正規とも)の賃金アップ、処遇改善などの交渉が主な役割だ。たとえば多くの事業所では、賃金は春闘で確認された内容に基づき引き上げを行う。
もちろん多くの事業所は交渉によって日額賃金(今年度は22,400円)に引き上げられるのだが、さまざまな理由によって、その金額に至らない事業所も存在するからだ。また残念ながら、ハラスメントの問題が発生している事業所もある。そのような事業所には、オーナー会に対して直接指導を求めている。
というのは、生コンの単価の中には材料費の高騰分だけでなく、労務費も入っているからだ。少し視野を広げて全体を見わたせば分かってもらえると思うが、オーナー会側としても、上記のような問題を是正して日額賃金を一律にしていかないと、生コン価格値上げの根拠(正当性)が崩れるからだ。またハラスメントを放置しても、最終的には使用者側の管理責任が追及される。つまり我々が、大阪広域協組管内における生コン輸送の約6割を担っているという状況下では、我々がやっていることは労働者側だけの問題ではなく、近畿地域における生コン業界全体の問題にも発展するということだ。逆に考えれば、それだけ我々の責任も重大なのだ。KURS・KLWS幹事会は、近畿地域の生コン輸送の未来を支えていると言っても、過言ではないだろう。
そしてそれは我々だけでなく、使用者側も同じ思いでいなければならない。労使共に<一致点>で議論ができる集団的労使関係を、これからもさらに発展させていきたい。
■<KURS・KLWS>加盟11団体の正式名称
■記事中に出てくる他の組織の正式名称