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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.30 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決4

2020.11.30

Vol.30 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決4

セメント出荷妨害事件でさる2020年10月8日、大阪地裁で執行猶予付の有罪判決が言い渡された、連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)の西山直洋執行委員・争議対策部長(以下、西山被告)、柳充元副委員長(以下、柳被告)と、関生支部の組合員らによる<威力業務妨害事件>の内容について、これまで3回連載してきたが、今回は彼らの<共謀>の実態について判決にそってあきらかにしたい。

12月6日、SSストップを通告

まず、西山被告は2017年12月6日、<近畿バラセメント輸送協同組合(大阪市東淀川区)>(以下、近バラ協)の毛屋和重理事長らに、「12月12日から(宇部三菱セメント(株)大阪港)サービスステーションをストップする。(株)植田組(運送店、以下、植田組)、ダイワN通商(株)(以降、ダイワN通商)といった、近バラ協に加入していないバラセメント輸送業者に対しては厳しくさせてもらう」と通告。その上で関生支部として、同日から大阪港サービスステーション(SS)の出荷を止めることを表明し、近バラ協に協力を仰いだ。また、西山被告は同月11日、関生支部組合員らと共に(株)中央大阪生コン(大阪市西成区、以下、中央大阪生コン)を訪れ、同月12日から<ストライキ>を実行することを前提に、近酸運輸(株)(兵庫県尼崎市、以下、近酸運輸)のミキサー車を中央大阪生コン敷地内に留め置くことを要求した。さらに、西山被告自ら認めるとおり、同被告は関生支部の争議対策部長として、実行行為の人員配置を決定。人員配置表を作成した上、実行行為当時、関生支部が本部を置くユニオン会館(通称生コン会館)で統括・調整役を担い、随時電話で現場の情報を収集していた。その西山被告の指示で大阪港サービスステーション(SS)には、他のサービスステーションよりも多くの組合員が配置され、途中で増員も行われた。

加えて、西山被告の携帯電話には、妨害行為の時間帯に大阪港サービスステーション(SS)及び中央大阪生コンにいた七牟禮時夫・副委員長、大原(孫)明・執行委員ら組合幹部と組合員との間で複数回の通話履歴が残っていた。こうした事実から、西山被告の<共謀>の事実についてこう認定している。「西山被告の供述を踏まえると、同被告は、大阪港サービスステーション及び中央大阪生コンにいた関生支部組合員らと頻繁に連絡を取り合い、情報を収集した上で行動を指示していたと推認することができる」。

頻繁に連絡を取り合い、行動を指示

一方、西山被告はこう供述していた。➀威力業務妨害で逮捕されないように最大限気を遣いながら指示していた➁警察官が現場にいたにもかかわらず、現行犯逮捕された者がいなかったことから、実力行使はしていないと思っていた➂ダイワN通商の運転手が<ストライキ>に協力したとの報告を、関生支部組合員から受けた。しかし、西山被告は「威力業務妨害にならないように具体的な指示をしたことはない」とも供述していることから、同被告の「最大限気を遣いながら指示していた」との供述は認め難いとしている。さらに、現行犯の逮捕者がいなかったからといって、西山被告と業務妨害の犯行人である組合員との意思連絡が否定されるものではないと、西山被告の言い分を退けている。さらに、ダイワN通商の運転手が<ストライキ>に協力したことをうかがわせる事実は、証拠上認められないと断定。西山被告の供述は信用できず、業務妨害の<ストライキ>をした組合員の行為を<予想外>とする西山被告の供述は信用できないとした。

広域協との交渉のウラで<ストライキ>を準備

次いで判決は、柳被告と各実行行為者らとの共謀について、以下の通りあきらかにしている。柳被告は2015年頃から関生支部の交渉役として、大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協)の地神秀治副理事長と会合を重ね、2017年10月副委員長を退任した後も、関生支部の<アドバイザー>として地神副理事長との会合を引き続きおこなっていた。2017年9月29日から同年12月8日までの間にも、柳被告は地神副理事長との会合を少なくとも5回重ねていた。二人の会合には、広域協の矢倉完治副理事長(当時)や関生支部の武建一委員長が同席することもあった。こうした広域協幹部との会合の裏で武委員長率いる関生支部は、営業妨害の<ストライキ>を着々と準備していた。そのことは、関生支部役員と組合員との間の<グループLINE(ライン)>の履歴から判明した。例えば、柳被告は2017年12月8日午後5時44分、地神副理事長との会合直前に、近酸運輸分会員にラインで「来週から○○です」「私は今からGさんと最終交渉」というメッセージを送っていた。柳被告の供述によると、「○○」とは<ストライキ(又は妨害行動) >で、「Gさん」とは地神副理事長を指すという。そして、同月11日午後2時59分、関生支部組合員がラインに「作業終了後、全員休憩室に残って下さい。意思統一します」とメッセージを送信したところ、柳被告は同日午後3時4分、「ガチンコになる」というメッセージをラインに送信した。また、柳被告は同日5時13分から同日午後9時39分までの間、関生支部の中尾正登執行委員、七牟禮副委員長、西山被告との通話を繰り返していた。

次回も<グループLINE>から見えてきた<共謀>のリアルな実態についてあきらかにしていきたい。

<セメント出荷妨害事件>の判決に、抗議声明を発表した関生支部の機関誌<くさり>紙面。

<セメント出荷妨害事件>の判決に、抗議声明を発表した関生支部の機関誌<くさり>紙面。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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