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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.29 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決3

2020.11.16

Vol.29 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決3

セメント出荷妨害事件で、連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部、武建一委員長)の西山直洋執行委員・争議対策部長(以下、西山被告)、柳充元副委員長(以下、柳被告)の一審判決が去る2020年10月8日、大阪地裁で言い渡された。両名とも懲役2年6月、執行猶予5年の判決が言い渡されたことを、偽装労組Vol.27(2020年10月15日)にお伝えし、前号の同Vol.28(2020年10月31日)で判決の詳細を明らかにした。ここでは、大阪地裁が事実認定した第一の事件である、宇部三菱セメント(株)<大阪港サービスステーション(S.S)>での関生支部組合員らによる、威力業務妨害事件を取り上げた。今回は、第二の事件である<(株)中央大阪生コン>(大阪市西成区)の件について取り上げる。

ミキサー車の走行を“強烈”に妨害

判決によると、関生支部組合員らは、中央大阪生コンに入出場しようとするミキサー車の前に立ちはだかったり、車の側面に立ったりして、ミキサー車の進行を妨げて停車させた。また、関生支部組合員らは、時折声を荒げながら工場長に詰め寄ったりした。こうした関生支部組合員らの行為について、判決はこう認定している。

「関生支部組合員らの行為は、中央生コンに入出場しようとするミキサー車の走行を阻み、大声を上げるなどの穏当とはいい難い言動とも相まって、心理的な意味においても、ミキサー車の入出場を強烈に妨げたと認められる。このような関生支部組合員らの行為が、人の自由意思を制圧するに足りる勢力を備えていることはあきらかであるから、これが威力業務妨害罪における<威力>に該当することは明かである」。さらに、こうも認定している。「中央大阪生コンに入出場しょうとしていたミキサー車は、関生支部組合員らの行為により、実際、入出場ができなかったり、ミキサー車に積載した生コンが硬化して出荷できなくなるおそれが生じたり、出荷先への生コン輸送が遅れたりしたのであるから、行為の態様、行為当時の状況、業務の種類等を踏まえれば、関生支部組合員らの行為が、威力を用いて中央大阪生コンの生コン出荷業務を妨害した行為に該当することはあきらかである」。そうして判決は、これまでに挙げた各行為が「威力業務妨害罪の構成要件に該当することが認められる」と判定している。

入出場妨害で損害発生

ところで、西山、柳両被告の弁護人が「宇部三菱及び中央大阪生コンには損害がほぼ発生していない」と主張していことについて、判決は、こう反論している。

まず、「そもそも損害の発生は威力業務妨害罪の構成要件ではない」との原則を明らかにした上で、こう述べている。「植田組運送及びダイワN通商については、実際に大阪港サービスステーション(S.S)への入出場が妨げられたことにより、平常の業務に比して追加費用がかさみ、損害が発生したことが認められる。中央大阪生コンについても、グループ会社から応援を呼ぶ必要に迫られたり、平常の業務に比して生コンの出荷が遅れたりし、ミキサー車の故障の原因となり得るような状態まで生じているから、損害が発生したことが認められる。そして、これらの損害が刑法上問題とならないほど軽微であるとはいい難い」。

判決はこの後、西山被告と実行行為者である関生支部組合員との<共謀>の事実について詳細にあきかにしているが、この部分については次回以降にお伝えしたい。

関生支部組合員らが入出場妨害を行った、宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション。
関生支部組合員らが入出場妨害を行った、宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション。

関生支部組合員らが入出場妨害を行った、宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション(写真上下)。

<ストライキ>の正当性を否定

さて、判決は西山・柳両被告の弁護人が<ストライキ>は<正当行為>(違法性阻却)であったとする主張について、以下のような事実を提示して明確に否定している。実行行為の中身はこれまでの本記事で紹介したものと重なるが、判決内容を紹介したい。ここでいう<違法性阻却>とは、<違法性を退ける>ことを言う。

まず、関生支部組合員による各実行行為について、「走行するバラセメント車又はミキサー車の前方に立ちはだかり、その周りを取り囲むなどして、植田組運送及びダイワN通商のバラセメント輸送業務並びに中央大阪生コンの生コン輸送業務を妨害したものである。また、関生支部組合員らは、植田組運送関係者や中央大阪生コン関係者との間で、時折声を荒げたり、もみあいになったり、押し合いになったりする場面が生じている。これらの行為の態様は、各業務を強烈に阻害するものであったと認められる」。

そもそも組合員は存在せず

また、「そもそも被害にあった植田組運送関係者や中央大阪生コン(関係者)には関生支部組合員が存在なしない。証拠上、中央大阪生コンが近酸運輸(兵庫県尼崎市)との間で専属輸送契約を締結していたとも認められない(仮に専属輸送契約があったとしても、中央大阪生コンと近酸運輸の労働者との間に労使関係が認められるものでもない)。このようにみると、植田組運送及び中央大阪生コンのいずれについても、関生支部による争議行為の相手方となる使用者ではない。なお、植田組及び中央大阪生コンには、実質的労使関係を認め得るような関生支部組合員の存在はうかがわれない」。

「ストしたら逮捕された」は、ねつ造

セメント出荷妨害事件での、関生支部の世間への最大の売りは「ストライキしたら逮捕されまくったけど、それってどうなの(労働組合なのに…)」(連帯ユニオン編、旬報社2019年1月30日発行)というものだが、もともと、労働組合はもちろんのこと組合員もいない職場では、スト権など成立しない。それをあたかも「労働者のストライキの権利を妨害した」と事実をねつ造して世間の同情を買っているのが、真相であり、関生支部の<騙しの常套手段>である。そして、威力業務妨害罪という刑事事件を<共謀罪の先取り>と言いつのり、<弾圧事件>にすり替え、自らの犯罪を正当化しているというのが事実である。

さすがに、世間は騙せても一つ一つの犯行事例を積み重ねた、裁判官の眼はごまかせなかった。そうして判決は、西山・柳両弁護人の<正当行為>との主張をあらためてこう述べて退けた。

「業務妨害行為の態様が強度であること、植田組運送及び中央大阪生コンは、関生支部との関係で争議行為の対象となる使用者とはいえないことに照らせば、各行為が正当行為としてその違法性が阻却される余地はない」。

「弁護人らは、大阪港サービスステーション(S.S)における各行為の目的が、バラセメント輸送運賃及び生コン輸送運賃の値上げであり、中央大阪生コンにおける行為の目的が近酸運輸労働組合の就労確保であったと主張するが、そのような目的があったとしても、これまで記してきた通り、行為態様が強烈であること、そもそも植田組運送及び中央大阪生コンは、関生支部の組合活動の対象となる使用者ではないことを踏まえると、各実行行為について、正当行為として違法性を阻却する余地がないとの判断は左右されない」。

次回は、<セメント出荷妨害事件>で行われた、西山被告と関生組合員らの共謀の実態について紹介したい。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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