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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.2 アウトいじめの錬金術

2019.09.17

Vol.2 アウトいじめの錬金術

vol.2-アウトいじめの錬金術

労働組合の名を騙(かた)り、建設関連企業に対して本来の組合活動とは程遠い「恐喝」や「威力業務妨害」などの反社会行為を繰り返してきた「連帯ユニオン関西生コン支部」。
2019年9月4日には、生コン運送会社の解散をめぐる解決金と称し、現金1億5,000万円を脅し取ったとして、執行委員長の武建一被告と副執行委員長湯川裕司被告が、恐喝容疑で京都府警に再逮捕された。
これで、2018年7月17日の摘発から2019年9月4日までの1年2ヵ月の間に、前代未聞の延べ88名の逮捕者を出したことになる。
現在も捜査や裁判が続けられるなか、KURS(コース=近畿生コン関連協議会)では、同労組の正体を暴くべく、この事件の詳細を連載記事としてお届けする。

嫌がらせでアウト業者を排除、業者からは上納金

滋賀県警が最初に摘発した、準大手ゼネコン「(株)フジタ」関連の商社支店長に対する恐喝未遂事件で、武被告ら連帯ユニオン関西生コン支部と関係協同組合が使った手口とはどんなものだったのか、2018年10月3日開かれた大津地裁の公判での検察側冒頭陳述などからあきらかにしたい。

この日出廷した「湖東生コンクリート協同組合」(湖東協組、滋賀県東近江市)理事の朝夷健治、生コン販売会社・近江アサノコンクリート営業部長の平元良治の両被告に対する検察側冒頭陳述によると、恐喝未遂事件の概要は以下の通りだ。

まず、検察側があきらかにしたのは、湖東協組と関生支部の関係だ。それによると、関生支部は、関西各府県の生コン協同組合と業務提携。業務提携した協同組合に加入していない生コン業者(以下、アウト業者)から仕入れをしている建設業者などに、様々な嫌がらせを行うことで、アウト業者を排除し、生コンの仕入れ先を湖東協組に変えさせていた。また、アウト業者に嫌がらせを行うことでそのアウト業者に対して湖東協組への加入を要求。その見返りとして、関生支部は、湖東協組の売り上げの一部を報酬、いわゆる上納金として得て、資金源にしていた。

湖東生コンクリート協同組合

湖東生コンクリート協同組合(同協組ホームページより)。

「和歌山方式」で、連帯への上納金は年間1,200万円

朝夷被告は、湖東協組の理事であるが、同協組の運営委員長という立場にあり、実質的には同被告が同協組を切り盛りしていた。同協組が設立されたのは2007年4月。しかし、建設業界の不況で生コン販売実績が伸び悩む中、2011年6月ごろ、同協組内で大きな販売シェアを有していた「ダイセイ(株)」(滋賀県東近江市)が脱退を表明したことから、苦境に立たされることになった。ここに出てくる「ダイセイ(株)」が、この事件で関生支部の嫌がらせの対象となったアウト業者である。朝夷被告は、苦境を脱するため、当時、和歌山県で、生コン協組と関生支部とが連携しておこなうアウト対策、いわゆる「和歌山方式」が奏功していたことから、関生支部にアウト対策を依頼することを同協組に提案。同協組は、その提案を容れ、関生支部にアウト対策を依頼することにした。

ここで出てくる、「和歌山方式」とは、県内の協同組合をまとめ連合会にすることをいい、和歌山県では十数年前に確立。同連合会からアウト対策を依頼され、その見返りとして関生支部に出荷量に応じて上納金が支払われる仕組みになっていた。「上納金は1 m3当たり170円」(生コン業界関係者)と言われている。

そして湖東協組は、2014年以降、月一回程度の頻度で、関生支部との情報交換会を行っていた。参加していたのは、湖東協組側から、朝夷健治(理事)、北川義博(副理事長)、奥宗樹(理事長)の3被告が参加し、関生支部側の参加者である城野正浩(執行委員・政策調査部長)被告らに対し、湖東協組管轄内の工事現場のうち、アウト業者を使っている工事現場などを報告していた。

これを受けて、関生支部の組合員が、アウト業者を使っている工事現場に行き、「道路が汚れている」などと、些細なことにクレームをつけるなどの嫌がらせを行い、業務を妨害。その結果、アウト業者を排除して、湖東協組が、工事現場に係る生コン供給契約を獲得するなどしていた。

朝夷被告は、関生支部がアウト対策を行う対価として、湖東協組の1月当たりの生コン販売量に、販売価格の0.6~0.7%に当たる100円/ m3を乗じた価格に相当する102万円/月を、定額で関生支部に支払うことを提案。それによって、湖東協組は2012年10月以降、102万円/月を関生支部の関係口座に入金するようになった。これでいくと湖東協組から関生支部への上納金は、年間1,224万円ということになる。朝夷被告らが逮捕されたのは2018年7月18日。少なくともそれまでは入金が続いていたとみて、この間、関生支部は約7,000万円を得ていたということになる。

倉庫工事で恐喝未遂、工場建設でも嫌がらせ

湖東協組と関生支部との関係に続いて、検察側冒頭陳述で犯行に至る経緯と犯行状況があきらかとなった。

それによると、「(株)フジタ」大阪支店は、中堅飲料水メーカー・「(株)チェリオコーポレーション」(本社・京都市南区)が、東近江市内に建設した滋賀工場第1期工事を2014~2015年にかけて施工。建設工事に必要な生コンを先のアウト業者である「ダイセイ(株)」から仕入れていた。その生コンの調達の委託を受けていたのが「(株)フジタ」の関連会社である商社の大阪支店だった。今回の事件の被害者は、この商社大阪支店支店長である。

チェリオ滋賀工場第1期工事でも、湖東協組職員が、商社大阪支店に対して売り込みに赴いたり、同工事の間、関生支部の組合員が同工事現場を訪れて嫌がらせを行うなどした。しかし、「(株)フジタ」が、「ダイセイ(株)」から生コンを仕入れ続けたため、同協組は、チェリオ滋賀工場第1期工事の生コン供給契約を獲得するには至らなかった。

事件として摘発されたのは、「(株)フジタ」大阪支店が、2017年からチェリオ滋賀工場の第2期工事として施工する予定だった、工場横の倉庫棟の建設工事をめぐる恐喝未遂事件である。

次回、恐喝未遂事件は武被告主導のもと行われたことを検察側冒頭陳述からあきらかにしたい。

(株)チェリオコーポレーション滋賀工場

(株)チェリオコーポレーション滋賀工場(同社ホームページより)。

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