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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.46 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決1

2021.07.30

Vol.46 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決1

本サイト連載の「偽装労組」Vol.45(7月15日)で速報したように、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(通称、連帯ユニオン関生支部、以下、関生支部)委員長の武建一被告(79)に対し、大阪地裁は一連のセメント出荷妨害について威力業務妨害罪と、準大手ゼネコン(株)フジタ(東京都渋谷区、以下、フジタ)に対する恐喝未遂罪で、懲役3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。恐喝罪でも起訴されていたが、同罪は無罪とした。検察側の求刑は懲役8年だったが、判決は<量刑の理由>で同被告に「被告人(武被告)について認められるのは恐喝未遂事件1件及び威力業務妨害罪4件であり、その罪質と被告人の年齢等に照らし、執行を猶予することが相当とした」と述べた。同判決について検察側、武被告双方とも不服として控訴、大阪高裁で引き続き争われることになった。

今回から大阪地裁判決の詳細をレポートする。

業務妨害、恐喝未遂、恐喝で起訴

まず今回の裁判で、検察側が武被告を起訴した罪状は威力業務妨害、恐喝未遂、恐喝の事件だ。うち、有罪となった恐喝未遂と威力業務妨害について、大阪地裁が<罪となる事実>として挙げた武被告の5つの事件の概要を、順次紹介する。

●恐喝未遂

事件の舞台となったのは、中堅飲料水メーカー(株)チェリオコーポレーション(京都市南区、以下、チェリオ)が2017年から滋賀県東近江市内で施工予定だった、チェリオ滋賀工場第2期工事(倉庫棟建設工事)だ。工事はフジタ大阪支店(大阪市北区)が受注し、フジタの関連商社、藤田商事(株)大阪支店(大阪市北区、以下、藤田商事大阪支店)が生コン調達の委託を受けた。この第2期工事で武被告は、チェリオ第2期工事に使う生コン供給契約の担当者を脅迫し、関生支部と提携関係にある、湖東生コンクリート協同組合(滋賀県東近江市、奥宗樹理事長、以下、湖東協)の登録販売店である、近江アサノコンクリート(株)(滋賀県甲賀市、以下、近江アサノ)と、藤田商事大阪支店との間で生コン供給契約を締結させ、不法な利益を得させようと企てた。

その際、武被告は、関生支部副執行委員長の湯川裕司被告、同執行委員兼政策調査部長の城野正浩被告、同執行委員兼争議対策部長の西山直洋被告(以下、西山被告)、同執行委員の松尾紘輔被告、同執行委員の萱原成樹被告、同執行委員の松村憲一被告(以下、松村被告)、同執行委員兼争議対策部副部長の大原明(孫明)被告(以下、大原被告)ほか関生支部組合員13人と共謀。経営者側とは、湖東協理事兼運営委員長の朝夷健治被告、湖東協理事長の奥宗樹被告、湖東協副理事長の北川義博被告、近江アサノ代表取締役の金子寿男被告、同営業部長の平元良治被告(肩書などは起訴当時のもの)と共謀した。このほか、氏名不詳の関生支部組合員らとも共謀した(ただし、松村・大原両被告と関生支部組合員の4被告は威力業務妨害の限度で共謀)。

犯行は、2017(平成29)年3月10日から同年7月3日までの間、チェリオ第2期工事の工事現場で、法令違反その他の不備を指摘し、対応を余儀なくさせて、その間、業務を中断させることを繰り返した。さらに、フジタ大阪支店前路上で、『(株)フジタ(ダイワハウスグループ)施工の現場 汚泥が道路に散乱している!』等の内容が記載されたビラを配布したりした。また、チェリオ第2期工事に関する生コン供給契約の決定権を有する、フジタ大阪支店支店長らに対し、近江アサノとの間で生コンの供給契約を締結しなければ、今後も各工事現場の業務を繰り返し妨害するとともに、フジタ(本社)などの信用に、害を加える旨の脅迫をしたが、同支店長が契約に応じなかった。このため、武被告はその目的を遂げることがなかった。恐喝は未遂に終わった。

有罪の根拠にした5つの<罪となる事実>のうち、残り4件は、威力業務妨害である。本サイトで繰り返し紹介してきた通りだが、判決の概略を改めて紹介する。

●植田組運送店出荷妨害事件1

(2017(平成29)年12月12日事件)
関生支部執行委員長である武被告は、西山被告、元関生支部副委員長柳充、同副委員長七牟禮時夫、大原被告、同執行委員弘田孝明、同執行委員尾白、同執行委員西島、そのほかの組合員らと共謀の上、(株)植田組運送店(以下、植田組)のバラセメント輸送妨害を計画。2017(平成29)年12月12日午前6時48分頃から同日午後9時38分頃までの間、大阪市港区海岸通4丁目の宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション(以下、大阪港SS)北側出入口付近またはその周辺路上で、植田組のバラセメント車の前に立ちはだかり、同車の運行を妨害。同車の大阪港SSへの入場及び同所からの出場を阻止し、その威力を用いて植田組の業務を妨害した。

●植田組運送店出荷妨害事件2

(2017(平成29)年12月13日事件)
武被告は、西山被告、柳充被告、七牟禮時夫被告、大原被告、関生支部執行委員中尾正登、同執行委員木村、同執行委員尾白及び、ほかの関生支部組合員と共謀。2017(平成29)年12月13日午前6時53分頃から同日午後4時8分頃までの間、大阪港SS北側出入口付近、またはその周辺路上で、植田組が運行するバラセメント車の前面に立ちはだかり、同車の大阪港SSからの出場を阻止し、もって威力を用いて、植田組の業務を妨害した。

次回は、引き続き、残る2つの出荷妨害の概略と、恐喝未遂罪のてんまつについてレポートする。

(株)チェリオコーポレーション滋賀工場(同社ホームページより)。

(株)チェリオコーポレーション滋賀工場(同社ホームページより)。

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